礼拝 5月 15日(日) 午前10時15分〜
聖書 マルコによる福音書 6章1〜6節a
聖霊降臨(使徒言行録2章1〜4節)
この事件を詳しく記録しているのは使徒言行録である。 それによると、弟子たちが1ヶ所に集まっていたとき、天から烈しい風のような音がし、彼らの座っていた家にその音が満ち響き、火のような舌が現れ、分かれて彼らの上に止まった。そして、皆聖霊に満たされ、様々な言語で話しはじめた、と。こうして使徒は異国の土地へ布教に行く能力を与えられたわけで、これはまたキリスト教会の誕生を示すものである。
サン・マルコ大聖堂の著名な「パラ・ドーロ」の一部を飾る「聖霊降臨」の場面では、中央のアーチを囲んで12使徒がほぼ放射線状に並んでいる。上部の「聖霊降臨」を意味するギリシア語ペンテコスティの上に、天から火のような舌が伸び出ているのが見える。彼らはかくして聖霊に満たされ、種々の言語を語る能力を与えられて、布教するために世界各地に赴くことになる。
「キリスト 美術にみる生涯」p127 柳宗玄 1967 株式会社社会思想社発行 より
聖霊降臨祭
聖霊降臨祭は、クリスマス、イースターと共に教会の1年間の最大の祝日で、一般には「ペンテコステ」とも呼ばれている。 ペンテコステとはギリシア語の「50」という意味で、イースターから50日目です。 しかし、ユダヤ教の暦によれば過越の祭りから50日目すなわち「五旬節」「七週祭」の日です。(申命記16:9以下)
このペンテコステという祝日には、旧約聖書にさかのぼる長い歴史が隠されています。 出エジプトに次いで記憶される大切な事柄は、約束の土地パレスチナに侵入し、定住するようになったことでした。依然として羊など小家畜を飼う生活は残されたものの、農耕生活という新しい生き方の中で、秋の収穫に先立って、「夏の収穫感謝祭」を祝う習慣が生まれました。これにパレスチナに定住することが可能になったことを感謝する「土地取得の記念日」という意味が重なりました。
ところが、新約聖書は、この日にさらに新しい、真にキリスト教的な意味づけをします。 具体的には、使徒言行録2章に記されている「聖霊降臨」という出来事が「五旬祭」の日に起こったと記録したことによって、それ以降、ペンテコステはユダヤ教的な背景を捨てて、新しくキリスト教的な聖霊降臨祭という意義づけで重視されるようになりました。
「よくわかる キリスト教の暦」p73〜75 今橋 朗 2003 キリスト新聞社 より