マタイによる福音書 12章46〜50節(新約23頁)
「聞くのに早く、話すのに遅く」 説教者 八束 清牧師
イエスさまは、ご自身の話しに聞く弟子たちを指して言います。
「だれでも、わたしの天の父の御心を行う人が、わたしの兄弟、姉妹、また母である」。
「弟子たちの方を指して」は、「弟子たちの上に手を伸ばして」という字です。イエスさまは弟子たちの上に手を伸ばし、ご自身の手の中にこの者たちを置いて、父なる神さまとの交わりへと加えてゆきます。
御心を行うためには、まず御心に聞かねばなりません。イエスさまはご自身の手の中に置いてくださり、ご自身と父なる神さまとの交わりへと加えて、神さまの御心に聞かせてくださるのです。
イエスさまも、天の父なる神さまの御心に聞くことへと命をかけます(26:39 p.53)。イエスさまは十字架で処刑される前の晩、父なる神さまに祈ります。父なる神さまに言いたいことはいっぱいあります。ですが祈るその果てに、イエスさまは父なる神さまの御心が行われるようお求めになったのです。
それは、私の思う以上のことを天の父はお考えだからです。実にわたくしたちが父なる神さまの御心に聞くために、イエスさまの命が必要でした。そして造り主なる神さまがその言葉を、死者の中からイエスさまを復活させることにより、発せられました。このお方の復活を明らかにすることにより、神さまは造られた世へと顔を向けてくださったのであり、その手を差し伸べてくださったのです。